/空冷の誘惑/
近くの山道で911に出会った。
自宅は海の近くだけど少し走れば山道がある、
バイク好きの間で有名な峠も30分ほどの距離。
その日は仕事も午前で終わりミニのメンテをしていたら電話が・・・・
「まっちゃん忙しい?遊びにこーへん?」
「久しぶりやね」
「車買ったんよ乗りにおいで!」
「え~行く!行く!」
車が三度の飯より好きな私【でも今は飯かも】
さっそくミニに跨りS宅へ・・・・
玄関先に鎮座ましますのは・・・・・・
【ぽるしぇ】
ではありませんか!
「何やこれ?」
「知らんのか?ポルシェやないか」
「アホ!知っとるわ!」
「そうやなくてこれはどうしたんやと聞いとるんや!」
「ポルシェ911や」
「もうええわ・・・・買ったん?」
「おお!と言いたいところやけど残念ながら従兄の車や」
「そうかビックリしたわ」
「ビックリはこれに乗ってもええことや!」
「乗ってええの?乗ろ!乗ろ!」
とは言ったものの敵は新車のポルシェ様【正確には996タイプ】
しかも色は赤!
17年落ちのミニと13年落ちのインプレッサオーナーにはちと荷が重い。
「キズ付けたらあかんやろな?」
「当たり前や!弁償やで!」
最初の勢いもどこへやら・・・・
「とにかく座ってみよか?」
ドアを開け乗り込む・・・・
「・・・高級車やね」
「高級車やね・・・」
「ミニでお茶でも行かへん?」と誘うと、
「そうしよか♪」
二人はミニに乗り込む。
「ああ~気楽~♪」
「気楽で悪うございました♪」
「まっちゃんファグラ食べたことある?トリュフは?」
「ない(笑)」 「俺も(笑)」
「高級に無縁な俺らにはポルシェ無理やな(笑)」
「さっきエンジンかけてみたんやけど静かやったわ」とS。
「今は水冷やからな」
「水冷か?ご時世なんやろけどなんや寂しいな」
クルマの話に夢中で喫茶店に寄るのも忘れて山道へ・・・・・・・・・すると前に、
「ドコドコドコ・・・・・」
「あぁ!ポルシェや!追え!」
「ガッテン!」
しばらく頑張ったがミニでポルシェが追えるわけもなくコーナーに消えていく911・・・・
夕日に照らされ赤や紫、黒にも見える優雅な後姿・・・・
獰猛なエンジン音・・・・
「やっぱポルシェは空冷やな!」
「異議なし!」
「どう?これから家へ寄って空冷味わう?」
「ビートル?味わう!味わう!」
それからビートルで山道を走り回り、
帰り道“整備不良”でキップを切られたバカな二人♪